前節では、ホームで逆転勝利を収めたコンサドーレ。今節から順位が上位にいる強豪との連戦が続くことから、連勝を期待していましたが、大宮に0-1と敗戦しました。私自身、当日試合をリアルタイムで観ることができず、試合結果を見て、なかなか上昇気流に乗れないなぁというのが率直な感想でした。
気が重いですが、DAZNでディレイ観戦して思ったことを短めに書き留めてみたいと思います。なお、この記事を書き終わるまで、試合結果後のニュースや他に考察されているは極力見ないようにしてきました。ピントがずれていましたら申し訳ございません。
スターティングメンバーを見て思ったこと
試合開始時の基本フォーメーションは、札幌が4-4-2、大宮が3-4-2-1となり、ともに前節から変更ありません。

今節は、前節攻撃の軸になっていた青木選手が体調不良でメンバー外になりました。チームの中で臨機応変に立ち位置を変えられて相手に脅威を与えられるプレイヤーですので、結果的にチームとして痛かったです。また、前節の左サイドバックであったパクミンギュ選手の代わりに高嶺選手を配置したのはもったいない印象を受けました。
あっさり試合展開の振り返り
前半25分くらいまではチャンスは作れていたものの、徐々に構える展開になり、両サイド攻撃から徐々に大宮のペースになっていきます。加えて札幌はパスミスも多くなり中央からも崩され始めます。前半はなんとか大宮の猛攻をしのいで終了します。
後半開始から、木戸選手に代わり荒野選手がピッチに入ります。序盤から右サイドを軸に攻め込みますが相手GKの好セーブなどもあり、ゴールを奪えない時間が続きます。攻撃時に気になったのは、54分のシーン。攻め込んだ中で、中央の荒野選手が左サイドで上がっていた高嶺選手に横パスを出したところです。相手が守備陣形を固めているのはわかるのですが、徐々にボールを持つ位置が自陣に戻っていくのであれば、縦方向のバカヨコ選手に当てた方がゴールへの期待が高まったように思いました。
56分では右サイドからバカヨコ選手を起点に、高尾選手の中央への動き出しによるファールからフリーキックを得てはいたものの、サイドだけではなく直接中央からの攻撃の仕掛けも織り交ぜていくべきではないかと感じました。できれば65分まで続いた自分たちの時間帯で先制点を奪えなかったことが今回の敗戦のキーポイントではなかったかと思います。
失点シーンとなった65分である、大宮GKの笠原選手から杉本選手へのロングキックを起点に、近くにいた豊川選手が拾って右サイドにはたいた展開は、札幌も見習ってほしいシーンでした。このカウンター攻撃は一瞬の隙も見逃さないという大宮のビジョンが見えました。
対する札幌は75分に右サイドを突破した白井選手のクロスから、逆サイドにいる長谷川選手が放ったシュートは枠を外れてしまう惜しいシーンもありますが、その後はビッグチャンスがないまま相手に勝利を奪われる結果となってしまいます。
最後に
今後、コンサドーレが昇格圏内に順位を上げていくためには、先制点をとる展開にいかに持ち込めるかがカギだと思います。試合前の監督インタビューの際、大宮の長澤監督が札幌の印象について、「昨年までトップリーグでやっていた選手達がほとんどで、クオリティに関してはこのリーグでナンバーワン。」と、他者がみても感じる札幌の強みを述べていました。このようにトップリーグで培った経験を現在生かし切れていないように思います。
変に形にこだわるくらいならシンプルに個の能力でごり押して戦ってほしいのが一素人の意見なのですが、大きく4つ改善点を上げてみました。
①基本フォーメーションを3-4-2-1にして攻撃の厚みを出す
②中盤の底にはボール奪取に優れる対人能力が高い選手を起用
③バカヨコ選手を起点にするなら、こぼれ球を拾える選手(スパチョーク選手など)を近くに起用
④ビルドアップ時に出しどころがなくなった際、バックパスや横パスを選択するくらいなら割り切って大きくけり出す(詰まる前に後方から声掛けを徹底する)
①については、基本フォーメーションの後ろ4枚が今のところ、リーグ序盤の失点につながったこともあり定まっている感じがしますが、バカヨコ選手がポストプレーでかなり中盤まで下がりすぎる傾向もあり、攻撃に転じた時に厚みがでていない状況です。そのため、勝ち点を伸ばしていくには昨年まで慣れしたしんだ基本フォーメーション3-4-2-1に戻すのも一考なのではないかと感じました。攻撃陣もシャドータイプの選手が多いようにもみえます。守備陣は中村選手(パク選手)、西野選手(馬場選手)、家泉選手のスリーバックも一回試してほしいです。
個人的には高嶺選手をボランチで起用されるためには、中村選手が今後キープレイヤーになるのではないかと思っています。
②は、個人的に特に強調したいポイントです。この大宮戦では21分に、高嶺選手が中盤で奪ってからのバカヨコ選手に当てたスルーパスは素晴らしいなと思いました。このシーンを見ると高嶺選手はボランチの位置で使ってほしいなと改めて思いました。また高嶺選手の特長のひとつとして、比較的冷静に一試合を通してプレーができることです。地味な点ですが、かなり重要です。
③は、今回失点シーンにつながった場面のとおり、ポストプレーのこぼれ球を拾える近い位置に選手がいると強みにしているサイド攻撃もより生きるのではないかと思います。
④については、前任のミシャ監督時代で一番フラストレーションがたまったのは、相手に揺さぶりをかけているようで、どんどん手詰まりになっていくプレーでした。できれば今後ほどほどにやってほしいです。ボールの位置がどんどん自陣のゴール方向に下がるくらいなら、相手陣地にボールを思いっきりけり出して、いいところに落ちたらもらい物、相手にボールが渡ったら奪ってカウンターくらいのシンプルな形でもいいのではないでしょうか。それを繰り返していけばコンサドーレの持つJ2リーグトップレベルといわれている自力の強さが発揮されるのではないかと考えます。
またGKへのバックパスからビルドアップという攻め方も、大事ではあるかと思いますが、GK本来の守備にもう少し専念してほしいです。今シーズンは、カウンターを受けてから失点する場面が多いので、さまざまな失点リスクに備えるためにも、コーチング(相手の狙おうとしてくるところ、隙になっているところとしつこいくらい声掛けする)やポジショニングに意識を傾けていけば守備の安定につながっていくのではないでしょうか。コーチングは選手間で瞬時に情報交換できる重要な手段だと思うので、もっともっと積極的に活用してほしいです。
リーグが始まって11試合が経過しましたが、すでに7敗しています。その中でも、勝ち点差は中位とそんなに離れていないのは幸運ととらえてほしいです。まだ残り27試合ありますが、いち早くきっかけをつかんで中団にくいこみ、大まくりを期待してます!